いわゆる「朝立ち」はするのに、セックスをはじめるとペニスが萎えてしまう。
このように矛盾した状態に陥り、「オレってEDなのか…?」と悩んでいる男性は少なくありません。
朝立ちするなら、セックスのときも勃起してよさそうなもの。
朝立ちするのにセックスで勃起しない、それは心因性のEDが関係してることが多いです。
そのようなときは、専門の医師に相談することをおすすめいたします。
ではなぜ、EDなのに朝立ちするのか。
その仕組から見ていきましょう。
朝立ちのメカニズム
男性であればご存知のとおり、朝立ちとは、起床時に無意識に起こる勃起です。
意外に思うかもしれませんが、EDを患っている方にも朝立ちは生じます。
朝立ちは、性的興奮とは無関係に起こる生理現象だからです。
厳密にいうと、朝立ちは起床時に生じる現象ではありません。
ペニスの勃起は睡眠中に繰り返し生じており、起床時に確認できる朝立ちはその名残なのです。
朝立ちの正体である睡眠中の勃起は、「夜間勃起現象」と呼ばれています。
夜間勃起現象は、「レム睡眠」の状態で起こる生理現象です。
レム睡眠とは、睡眠のなかでも眠りが浅い状態のこと。
レム睡眠に対して、深い眠りは「ノンレム睡眠」と呼ばれています。
レム睡眠中は、脳や自律神経が活発になります。
睡眠中に夢を見たり、目がキョロキョロと動いたりするのは、レム睡眠の状態に入って脳が活性化するためです。
夜間勃起現象は、レム睡眠時に脳と自律神経が起こす“勃起の試運転”のようなものだと考えられています。
睡眠中に生殖機能が衰えないように、脳が自律神経を介してペニスを勃起させていると考えられているのです。
以上の仕組みをもつ夜間勃起現象(=朝立ち)は、先にも触れたように性的興奮とは無関係に起こります。
このため、EDを患っている男性に朝立ちが起こったとしても、何ら不思議ではありません。
EDとは、性交渉の際にペニスが勃起しない、あるいは勃起が持続しない症状です。
EDを患っている方でも、アダルトビデオを見ると勃起する場合があります。
つまり、肉体の機能的に勃起しないこととEDは、必ずしもイコールではないのです。
朝立ちするのにセックスで勃起しないなら、肉体以外にEDの原因があると考えられます。
朝立ちありでEDになるのは、心因性ED
朝立ちするのに性交渉時に勃起しないなら、心因性のEDを患っている可能性があります。
心因性EDとは、心理的あるいは精神的な要因によって生じるEDです。
心因性EDの原因は、人によってさまざま。
具体的には、以下のような要素がED発症の引き金となります。
- 精神疾患
- ストレス
- トラウマ
- コンプレックス
うつ病や双極性障害といった精神疾患は、心因性EDの原因となります。
とくにうつ病は、EDと関連性の深い病気です。
うつ病によって物事への意欲が失われると、性欲も減退しやすくなります。
性欲が弱くなれば性的興奮は起きにくくなりますし、結果的に勃起も起こらなくなります。
うつ病についてもう一点押さえておきたいのが、EDとの双方向性です。
うつ病がEDを招く場合もありますし、EDの悩みがうつ病を悪化させる場合もあります。
次に、ストレスについて。
日常生活で感じるストレスは、心因性EDを引き起こす要因になります。
注意したいのが、性生活とは無関係なこともEDの引き金になり得るという点です。
たとえば、職場で感じるストレスや自信の喪失、経済的な不安といった心理的要因によって、EDが発症する場合があるのです。
このほか、パートナーとの不仲や失恋、離婚、性病に対する不安など、女性関係に起因するストレスもEDの原因になります。
これら種々のストレスは、性的興奮を妨げることによりEDを招くと考えられています。
最後に、トラウマとコンプレックスについて。
幼少期に受けたトラウマや、無意識に抱いているコンプレックスは、心因性EDの原因になります。
先にあげたストレスとは異なり、トラウマやコンプレックスは自覚できていない場合があるので要注意です。
たとえば、深層心理に閉じ込めていた幼少期のトラウマが、EDを引き起こすケースもあります。
以上のように、心因性EDの原因は多様です。
自力で心因性EDを改善することは、困難と言わざるを得ません。
心因性EDの治療はカウンセリングへ
心因性EDの疑いがあるなら、まずは専門家のカウンセリングを受けることをおすすめします。
心因性EDを改善するには、原因である心理負担を特定することが肝要。
時間をかけてカウンセリングを受けることにより、自覚していなかったトラウマやコンプレックスに気付く場合もあります。
また、EDの原因としてパートナーとの関係が考えられる場合は、カップルでカウンセリングを受けてみることも重要です。
EDの悩みは、パートナーにとっても重要な問題であるはず。
信頼できるパートナーと解決に取り組むことが、心因性EDを解消する早道です。
なお、心因性EDの治療には、バイアグラやシアリスなどのED治療薬が役立つ場合もあります。
治療薬を飲むことで得られる安心感や自信が、心因性EDの症状を打ち消すケースがあるのです。
治療薬の力でセックスを成功させれば、その体験がさらなる自信につながります。
心因性EDの治療は、さまざまな角度から取り組むことが肝要です。
カウンセラーだけでなく医師とも相談して、EDの早期改善を実現してください。
まとめ
EDの症状によってセックスできなくなると、男性は自信をなくしてしまいがちです。
しかし、日常的に朝立ちするならば、肉体的な生殖機能は正常だといえます。
体の機能が正常なら、EDを早期解消することも可能なはず。
パートナーや専門家の力を借りて、ぜひ健全なセックスライフを取り戻してください。