糖尿病を患っている男性は、健康な男性とくらべて2〜3倍の割合でEDを発症するとされています。
勃起機能の低下にお悩みなら、その症状は糖尿病に起因するものかもしれません。
糖尿病とEDの関連性をご理解いただくために、糖尿病性ED(糖尿病性勃起障害)の情報をまとめました。
糖尿病性EDが起きるメカニズム
糖尿病が原因で生じるEDは、「器質的ED」「心因性ED」「薬剤性ED」の3つに分類できます。
各タイプのEDの発生メカニズムを見ていきましょう。
器質的EDは、糖尿病による身体的な変化により生じるEDです。
器質的EDの直接的な原因には、神経障害や陰茎海綿体の機能低下、動脈硬化などがあげられます。
神経障害は、文字どおり糖尿病によって生じる神経の障害です。
糖尿病により神経機能が低下すると、脳から発せられた勃起の指令がペニスまで届きにくくなります。
陰茎海綿体の機能低下とは、糖尿病にともなう一酸化窒素合成酵素(eNOS)の活性低下のこと。
ペニスの勃起には、陰茎海綿体を弛緩させる「NO(一酸化窒素)」の働きが欠かせません。
糖尿病の影響により、NOを合成する酵素であるeNOSの活性が低下すると、勃起が起こりにくくなります。
動脈硬化は、動脈が硬くなって血流が悪化する症状です。
糖尿病を患うと、全身に動脈硬化が現れやすくなります。
この動脈硬化が陰茎動脈や陰茎海綿体の毛細血管に生じると、ペニスの血流が著しく低下。
結果的に、勃起機能も大きく低下してしまいます。
以上3つの器質的EDが、糖尿病によって生じやすいEDの代表各です。
次に、糖尿病によって生じる心因性EDについて。
心因性EDとは、うつ傾向やストレスなどの心理的な要因で発症するEDです。
糖尿病患者は心の不調を起こしやすく、うつ病を発症する確率が高いと考えられています。
糖尿病患者に心理的負担を与えるのは、合併症への不安や病気になったことへの怒り、治療にともなうストレスなど。
これら糖尿病にともなう心理負担は気分を落ち込ませて、心因性EDを引き起こします。
最後に、薬剤性EDについて解説しておきましょう。
薬剤性EDとは、服用している薬が原因で生じるEDです。
医薬品のなかには、副作用として勃起機能を低下させるものがあります。
たとえば、糖尿病患者が利用することの多い降圧剤(血圧を下げる薬)は、そのなかの1つです。
降圧剤がEDを引き起こすメカニズムは、正確には解明されていません。
ただ、降圧剤の作用による血行低下が、勃起を妨げると考えられています。
糖尿病患者でかつ高血圧症を患っている方は、薬剤性EDと動脈硬化によるEDの両方に気を付けなければなりません。
全患者がEDを発症するわけではない
上記のとおり、糖尿病を患っている方は、3タイプのEDを発症するリスクを背負っています。
ただ、糖尿病患者全員が、EDを発症するわけではありません。
さまざまな論文の数字を参考にすると、糖尿病を患っている男性のうち、EDの自覚症状をもつ方の割合は2〜3人に1人です。
つまり、糖尿病患者の男性のうち、2〜5割の方はEDを発症していないことになります。
1つ付け加えると、前述した降圧剤による薬剤性EDも、薬の種類によっては発症しません。
以上の点から、現在EDを発症しているとしても、その原因を糖尿病あるいは薬の副作用だと決めつけるのは早計といえます。
EDの原因は、医師の診察を受けなければわかりません。
病院へ行かない糖尿病性ED患者はどのくらい?
糖尿病性EDを患う男性のうち、EDの症状について病院で相談している方は全体の7〜8%程度とされています。
EDについて医師に相談できない(あるいはあえて相談しない)糖尿病患者は、非常に多いのです。
医師にEDを相談しない理由としては、「EDを打ち明けるのが恥ずかしい」という気持ちがもっとも多くあげられています。
この一方で、糖尿病患者のうちED治療薬を服用している男性は、全体の11%程度とするデータもあります。
このデータが暗に示しているのは、病院に相談せずに個人的にED治療を入手している男性の存在です。
ED治療薬を服用する糖尿病患者のうち、3割程度が個人輸入で治療薬を入手していると考えられます。
恥ずかしさからEDを医師に相談できず、個人輸入を使ってED治療薬を使用する。
このような糖尿病患者が、相当数いると考えられます。
恥ずかしいからと治療薬を通販で買うのは危険!
前節を読んで、「オレも個人輸入でED治療薬をゲットしようかな」と思った方もいるかもしれません。
しかし、その考えは実行に移さないほうが賢明です。
ED治療薬の個人輸入は、インターネットを使えば通販感覚で行えます。
ただし、この方法でのED治療薬の入手は、多大なるリスクをともなうので要注意。
ED治療薬を個人輸入すると、偽造医薬品が届く可能性があるのです。
インターネットにより医薬品が手軽に購入できるようになった現在、正規品に紛れて無数の偽造医薬品が世界に流通しています。
ED治療薬も例外ではありません。
ネット上に流通するED治療薬のうち、じつに4割を偽造医薬品が占めていたという調査結果もあります(2016年ファイザー調べ)。
当然ながら、偽造されたED治療薬では、ED改善効果は得られません。
それどころか粗悪な薬品の服用により、重篤な健康被害を受ける可能性もあります。
個人輸入したED治療薬の服用により健康を害しても、通販サイト(個人輸入代行業者)はなんの補償もしてくれません。
また、日本の医薬品に適用される「医薬品副作用被害救済制度」も、個人輸入した薬による健康被害には適用されません。
端的にいえば、個人輸入したED治療薬により生じた健康被害は、自腹を切って治す必要があるのです。
このため、気軽に個人輸入したED治療薬が原因で、高額な医療費を支払うことになる可能性も多分にあります。
もう1点付け加えると、個人輸入で手に入れたED治療薬が正規品だったとしても、やはり使用には注意が必要です。
海外で製造されるED治療薬は、日本国内で製造されるものとは添加物が異なります。
海外メーカーのED治療薬が体に合わず重篤な副作用が生じても、やはり通販サイトや医薬品副作用被害救済制度の補償は受けられません。
以上の危険性を考慮するなら、ED治療薬は日本の病院で処方を受けるべきです。
病院であれば安心してED治療薬を入手できますし、現在服用中の薬との相性も考慮して治療薬を選んでもらえます。
もし、糖尿病の主治医にEDについて相談することが恥ずかしいなら、ED専門クリニックを利用するのも1つの手です。
最短8分でED治療薬を処方する「イースト駅前クリニック」や、無料カウンセリングが魅力の「上野クリニック」など、全国には頼れるEDクリニックが多数あります。
こうしたクリニックであれば、医師だけでなくスタッフも全員男性であるため、安心してEDの治療を受けることが可能です。
まとめ
糖尿病にともなうEDは、決して恥ずかしい症状ではありませんし、男性であれば誰にでも発症する可能性があります。
また、糖尿病性のEDは、適切な治療によって改善することが可能です。
EDの症状にお悩みなら、一度病院でED治療について相談してみてください。
先に触れたED専門クリニックの情報も、一度チェックしてみることをおすすめします。